SORA Technology、ダカール・パスツール研究所とのMOUに調印
SORA Technologyとダカール・パスツール研究所は、新たな感染症のアウトブレイクを防ぎ、アフリカ地方部の公衆衛生を向上させ、ドローン産業を担う現地人材の育成への貢献も目指します。
SORA Technology株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役 創業者&CEO:金子洋介、以下:SORA Technology)とダカール・パスツール研究所(Fondation Institut Pasteur de Dakar、以下:IPD)は、新たな感染症の発生防止と、アフリカ地方部における公衆衛生向上を目的とした、ドローンインフラ構築にかかるMOU(Memorandum of Understanding)を、2023年1月30日に締結しました。
現在、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)以外にも、新型インフルエンザやエボラ出血熱、MERS(中東呼吸器症候群)といった新興感染症や、デング熱等の蚊媒介感染症の再流行が世界各地で深刻化しています。そして、これらを解決するためには、感染症の原因となるウイルスを常に監視できるサーベイランス体制の強化が不可欠です。
この度のMOUには、ドローンを駆使した喫緊の感染症対策や農村部の公衆衛生レベルの向上を達成するため、幅広い領域でIPDと協力する旨が明記されています。西アフリカの研究拠点として歴史と実績のあるIPDと緊密な協力関係を築けたことは、アフリカにおける感染症撲滅を実現するための大きな一歩となりました。
MOU締結にあたり、IPD疫学・臨床研究・データサイエンス部長のシェイク・ルクーバル博士は、「ドローンの活用は、環境データの質(環境監視のための画像解像度)の向上や、収集可能なデータの種類(気候パラメータなど)の増加にも大きく寄与することでしょう。」と述べました。
また、SORA Technology Vice CEOの梅田昌季は、「ドローンを活用した様々なソリューションを提供することで、IPDのパートナーとして、将来的な感染症の予防に貢献できることを嬉しく思います。SORA Technologyは、日本で培った技術とパートナーシップを活かし、セネガルにおける公衆衛生のデジタル化を加速させるための包括的なサポートを行なっていきます。」と述べています。
SORA Technologyは、このMOUに則り、既に提供している「SORA Malaria Control」(自社開発の固定翼ドローンによる空撮データと複数のAI技術を組み合わせることにより、マラリア媒介蚊のボウフラが繁殖するリスクの高い水たまりを効率的に発見し、管理するソリューション)をはじめ、「宙(SORA)」から得られるあらゆるデータを活用した、その他の蚊媒介感染症に対するサーベイランス体制を構築していきます。
また、ドローン配送の仕組みを強化することにより、農村部の医療アクセスが改善されるだけでなく、検体の輸送にかかる時間を大幅に削減し、都市部の研究機関における迅速な解析を可能にすることで、感染症リスクの可視化や新規病原体の早期検出が期待されます。さらに、ドローンを駆使した「宙(SORA)」のインフラの強化は、農村部における公衆衛生を向上させるとともに、そのオペレーションを通して蓄積されたドローンやデジタル技術に関するノウハウを現地に還元し、人材育成や新たな産業の創出につなげていきます。
■IPD
IPD(ダカール・パスツール研究所)は、アフリカにおける公衆衛生の向上を使命とし、研究、イノベーション、人材育成、バイオマニュファクチャリングのほか、疫病に関する情報発信や、アウトブレイク対応、サーベイランスの強化といった活動に従事しています。
■SORA Technology
SORA Technologyは、「『宙(SORA)』から人の生き方に変革を」をミッションに、ドローンを中心とするエアモビリティを駆使した、新しい社会インフラを創出します。
地球視野で、途上国における先行的な社会実装を目指し、マラリアなどの感染症やラストマイル配送等、喫緊の社会課題の解決に貢献しながら、法整備やドローン運行管理システム(UTM)、ドローンライセンス等の導入支援も含めた、ワンパッケージとしての事業を行います。
また、途上国で培った運用・技術をもとに、先進国へのリバースイノベーションも目指し、「宙(SORA)を活用した災害・疫病に負けない持続可能な社会」「世界の宙(SORA)の安全な管理・統合」を実現していきます。