東京都の海外進出企業支援プログラムで、災害・公衆衛生対策で有効性実証

AIと航空宇宙技術でグローバルヘルスと気候変動課題に取り組むSORA Technology株式会社（本社：愛知県名古屋市、Founder兼CEO：金子洋介、以下、ソラテクノロジー）は、2024年9月〜2025年3月にかけてケニア・ナイロビ市で実施した「洪水・感染症リスク予測モデル構築にかかる実証実験（以下、本プロジェクト）」において、AIを活用した異常気象由来の感染症リスク評価プラットフォーム「SORA Health Intelligence Room」の予測技術の有効性を確認したことをお知らせいたします。なお、本プロジェクトは東京都が主催する企業の海外展開支援プログラムを通じたプロジェクトになります。

背景と目的

ケニアでは、近年エルニーニョ現象などの気候変動の影響により、都市部での集中豪雨・洪水が頻発しており、特に排水設備の整っていないスラム地域では、水たまりを媒介とした感染症の拡大が深刻な課題となっています。
こうした課題に対して特に影響を受けやすい都市部スラム地域において、洪水や水系感染症（腸チフス・コレラなど）の発生リスクを「見える化」することで、行政や医療関係者が迅速かつ効果的に予防策を構築したり医薬品類の配分したりすることを目的としています。

実証の内容

対象都市：ケニア共和国・ナイロビ
実施時期：2024年9月〜2025年3月
実証内容：ソラテクノロジーが開発する衛星・AIベースの統合的な洪水管理ソフトウェアを活用し、洪水と水系感染症に関する高解像度のマッピング及び予測分析を実施し、それらに基づく被害リスクや被害規模の予測を提供しました。

システムを活用した、各公的診療所で必要と想定される医薬品の需要予測

主な成果

本プロジェクトを通じて、以下のような具体的な成果が得られました。
情報取得の迅速化（情報速度）
従来は災害発生後に現地情報を収集していたのに対し、シミュレーションモデルの導入により、災害発生の約1週間前の段階でリスク予測が可能に。これにより、行政・医療機関による対策実施のリードタイムを1週間確保できるようになりました。

予測対象の拡張（情報の幅）
洪水および感染症に関する計8項目について予測を実施し、従来に比べて対応計画の幅が大きく広がりました。
＜洪水シミュレーション（5項目）＞
・ナイロビ市内の洪水ホットスポット予測
・サブカウンティごとの被害人口予測
・洪水の影響を受ける道路データ
・同様に影響を受ける病院データ
・インフラ施設への影響予測

＜感染症シミュレーション（3項目）＞
・サブカウンティごとの患者数予測（下痢・腸チフス）
・解熱剤の需要量予測

予測モデルの精度検証（情報精度）
実際にナイロビで発生した2024年4月の洪水における浸水実績と、シミュレーションモデルによる災害発生時の予測結果を比較したところ、洪水ホットスポットの予測精度は69%に達し、被害強度の傾向も概ね一致することが確認されました。

事業内容紹介記事
G-NETSのネットワークを活かした、ナイロビ市の洪水対策と都市間連携の意義

他国への展開も開始

本プロジェクトで得られた成果をもとに、ソラテクノロジーはケニア国内の他都市での展開を検討するとともに、経済産業省の補助金を受けて展開を進めるガーナやケニア・モザンビーク以外のアフリカ諸国への展開も始めています。
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東京都の海外展開支援プログラム「キングサーモンプロジェクト」

東京都が実施する革新的スタートアップの海外展開支援プログラムです。世界に挑戦するスタートアップ企業を「逆境を乗り越えて急流を遡る“キングサーモン”」になぞらえ、都市課題の解決に資する先進技術を持つ企業を対象に、海外の都市や自治体との連携構築や実証実験の機会提供を通じて、グローバル市場への展開を後押しすることを目的としています。
ソラテクノロジーは、2024年10月に採択され、ナイロビ市との連携による現地実証を通じて同市が直面する気候変動および公衆衛生の課題に技術的ソリューションを提供しました。
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会社概要

会社名：SORA Technology株式会社
所在地：愛知県名古屋市
代表者：金子洋介（Founder兼CEO）
事業内容：ドローンおよびAIを活用した感染症対策、農業支援、災害対応技術の開発・提供
設立：2020年
ウェブサイト：https://sora-technology.com/
Linkedin：https://www.linkedin.com/company/sora-technology/
Facebook：https://www.facebook.com/sora.technology/