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お知らせ

ドローンによる水田の中干し管理で温室効果ガスの排出削減量を計測

広範囲の水田を短時間で効率的に測定、北海道で実証実験

AIと航空宇宙技術でグローバルヘルスや気候変動課題に取り組むSORA Technology株式会社(本社:愛知県名古屋市、Founder兼CEO:金子洋介、以下ソラテクノロジー)は、2025年3月4日に札幌市で開催されたオープンイノベーションプログラム「Local Innovation Challenge HOKKAIDO 2024」の成果発表会「Demoday」において、ドローン(UAV)とAIを用いた水田の中干し期間の測定技術を発表しました。
2024年6月に北海道岩見沢市で実証実験を行い、マルチコプター型,固定翼型両方のドローンで圃場を撮影し、画像データを独自指標で分析することで、対象エリアの効率的な撮影と中干し期間を1日単位で測定できることを確認しました。

ドローンによる水田の中干し証明技術とは

ソラテクノロジーは、最大航続距離100kmの固定翼型ドローンとマルチコプター型ドローンのマルチスペクトルカメラで撮影した画像データから解析する技術を活用し、水田の水分状況を高精度に測定するシステムを開発しました。稲作における中干は,メタンガスの発生を抑制するとして,J-クレジットの方法論として採用されています.このソラテクノロジーの方法により,申請における農家の管理負担を軽減しながら中干し期間を効率的かつ定量的に示すことで、信頼性の高い中干証明が可能となります.
また,2024年6月に岩見沢市で行った実証実験では、約1,200ヘクタールの圃場を約20時間で撮影でき、広範囲の水田を短時間で効率的に測定できることを確認しました。

期待される効果

  • 圃場内の水分布の定量的証明:従来の方法では圃場全体の水分布の把握が困難でしたが、本技術により,圃場全体を定量的かつ明瞭な指標を用いた解析を行うことが可能であり,1日単位での中干し期間を管理できるようになりました。
  • 環境負荷の軽減:メタンガスは温室効果ガスの一つであり、その多くは水田から発生しています。適切な中干しを行うことで、メタンガスの発生を抑制し、持続可能な農業に貢献します。
  • 効率的な測定:従来の目視や地上センサーによる観測に比べ、ドローンを活用した空撮は圧倒的に効率的であり、広範囲の水田を短時間で分析可能です。
  • 持続可能な農業の推進:スマート農業の一つとして,J-クレジット制度の活用を視野に入れた取り組み。

本技術の実証実験は、北日本スカイテック(KST)、スマート農業共同体(SAc)、東京農業大学との協力のもと進められており、今後の社会実装に向けた取り組みを強化していく予定です。

Local Innovation Challenge HOKKAIDO 2024

国内外のスタートアップと北海道内の自治体・事業者の協業により、地域課題の解決に取り組むオープンイノベーションプロジェクトです。
2020年のスタート以来、4年間で30件の実証実験を採択し、スタートアップの事業成長や地域でのイノベーション機運醸成に貢献しています。ソラテクノロジーは一次産業の領域で採択され、岩見沢市の土地改良区とマッチングし、ドローンとAIを使い中干し期間を測定する実証実験を実施しました。

公式サイト:https://startuphokkaido.com/support/754/

ソラテクノロジーについて

ドローンとAI技術を活用し、気候変動や健康リスクといったグローバルな課題に取り組み、次のような領域でソリューションを提供しています。

1.感染症対策
ソラテクノロジーは、マラリアやコレラといった感染症の拡大を防ぐための予測システムや防除支援システムを開発しています。AIを活用し、気候データや感染パターンを分析することで、地域や時期ごとの感染リスクを予測し、迅速な対策を可能にします。

2.農業分野での温室効果ガス削減
特にメタンガスの削減に注力し、農業活動から発生する温室効果ガスを監視・削減する技術を提供しています。ドローンを使ったデータ収集とAI解析により、効率的かつ持続可能な農業を支援しています。

3.災害対応と気候変動への適応
気候変動によって増加する自然災害(洪水や干ばつなど)への対応策をサポートし、地域社会が災害や疫病に強くなるためのソリューションを提供しています。

これらの取り組みを通じ、ソラテクノロジーは「災害や疫病に強い持続可能な社会」の実現を目指し、グローバルな健康と気候変動の課題解決に貢献します。

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