東京都のスタートアップ開発途上国展開支援事業「GlobalXpander Tokyo」の第2期の採択企業に選定されました
タンザニア連合共和国のザンジバル島で、AIとドローンを活用したマラリア媒介蚊対策ソリューションの実証を開始
AIと航空宇宙技術でグローバルヘルスと気候変動課題に取り組むSORA Technology株式会社(本社:愛知県名古屋市、Founder兼CEO:金子洋介、以下、ソラテクノロジー)は、東京都が主催する、開発途上国における社会課題解決に取り組むスタートアップの海外展開支援事業「GlobalXpander Tokyo」(以下、「スタートアップ支援事業」)に採択されました。
今回の採択により、マラリア排除に最も近い地域のひとつであるタンザニア連合共和国のザンジバル島で、AIとドローンを活用したマラリア媒介蚊対策ソリューションの実証を開始します。排除達成に向けた“最後の一押し”を支える挑戦として、アフリカから世界へのモデルケースを築くことを目指します。
ザンジバル島で実施する背景と国際的意義
ザンジバル島は2008年以降、マラリアの有病率を1%未満に抑え続けており、アフリカで最も排除に近い地域のひとつ*とされています。一方で、局所的にマラリア媒介蚊が発生している「ホットスポット」が確認され、これを特定、監視、制御することが排除達成に向けた最大の課題となっています。
従来の人手中心の調査では、小規模で点在するマラリア媒介蚊発生源を網羅的に把握することが困難でした。そこに、AIとドローンを活用して水域を自動検出・可視化、更にドローンによる薬剤散布ができるソラテクノロジーの技術を用いることで、マラリア排除に向けた“最後の一押し”に貢献することになります。
ザンジバル島での展開は、同時に、他国への横展開や国際機関への発信力を持つモデルケースとなることが期待されています。
2025年7月に、現地のマラリア局とMoUを締結し、AIとドローンによるホットスポット特定と監視、制御に対する期待が示されました。島嶼部で成果を明確に測定できるザンジバルでの実証は、タンザニア本土や周辺アフリカ諸国、さらには国際的な排除プログラムへ波及展開する基盤となります。
*WHO Africaのレポートより(Moving towards zero Malaria in Zanzibar)
プロジェクト概要
今回の採択に基づき、ソラテクノロジーは「SORA Malaria Control」プロジェクトを展開します。本プロジェクトでは、ドローンとAIを活用してマラリア媒介蚊の発生源となる水域を自動検出・可視化し、効率的な殺虫剤散布を行うLarval Source Management(LSM)モデルを採用します。
このアプローチにより、従来の人手中心の調査と比較して
・発見できる水域数の大幅な増加
・人員・コストの削減
・散布精度の向上
といった効果が確認されています。2024年にはガーナ北部でPoC(概念実証)を実施し、現地保健当局や大学・研究機関と連携して有効性を確認済みです。今後は、WHO、The Global Fund、USAIDなど国際的なパートナーシップと連携しながら、世界的なマラリア排除目標に貢献いたします。
今後の展望
今回の「GlobalXpander Tokyo」採択を契機に、ソラテクノロジーは東京都の支援機関や現地パートナーと連携し、アフリカ・アジアにおける感染症対策・農業支援・気候変動リスク対応をさらに加速します。
ザンジバルでの実証成果をもとに、マラリア撲滅の実現にはAIとドローンによる発生源管理が不可欠であることを示し、この技術を世界の取り組みに欠かせない存在として根付かせていきます。
感染症流行の事前予測と拡大防止、公衆衛生改善、持続可能な農業・社会発展に貢献し、将来的には「社会インフラ」として各国で活用されることを目指します。
GlobalXpander Tokyoとは
GlobalXpander Tokyoは、開発途上国が抱える社会課題の解決を目指す都内スタートアップがより一層競争力を強化し、グローバル市場を獲得できるよう支援を行うプログラムです。
本プログラムでは、開発途上国への事業展開を志し、近い将来、現地での事業開始を計画している都内スタートアップに対して、海外進出前の計画策定や検証実施にあたってのサポートを行うとともに、運営事務局による伴走支援等を提供しております。
今回の第2期では、多数の応募企業の中からソラテクノロジーが採択されました。
第2期採択企業
採択企業一覧|GlobalXpander Tokyo 東京都