マラリア媒介蚊対策技術のデング熱への応用を目指しフィリピンでドローンとAIを用いた実証実験を実施
AIと航空宇宙技術でグローバルヘルスと気候変動課題に取り組むSORA Technology株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:金子洋介、以下ソラテクノロジー)は2025年7月、アフリカ大陸で進めているマラリア対策技術を応用し、フィリピンのレイテ島においてドローンと人工知能(AI)を活用したデング熱媒介蚊対策の実証実験を行いました。
デング熱はマラリアと同様に蚊が媒介して感染が拡大する疾患で、この実験はソラテクノロジーが培ってきたマラリア媒介蚊対策の技術をデング熱にも応用することを目指した試みです。
実証概要
日時:2025年7月10日、11日
場所:フィリピン・レイテ島
・ドローンによる空撮と地理空間解析で、ボウフラ発生リスクの高い水域をマッピング
・環境指標をもとに流行リスク地域を特定するAIモデルを適用
・国際人道支援団体Help.NGOの現地ネットワークとSORA Technologyの技術を融合し、実践的な検証を実施
狙い
今回の取り組みはデング熱媒介蚊が発生する前に感染のハイリスク地域を特定することで、データに基づいた予防的な対策を可能にします。気候変動によって蚊媒介感染症のリスクが高まるなか、国際協力に基づくこのアプローチは、地域社会のレジリエンス強化に寄与します。
また、アフリカでのマラリア対策から主に東南アジア地域でのデング熱対策へと技術を横展開できれば、日本でも将来的に感染が拡大する可能性のあるデング熱やチクングニア熱といった蚊媒介感染症や顧みられない熱帯病(NTDs)の予防・制御にも貢献できるものと考えています。
デング熱とは
デング熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカなどを媒介して感染するウイルス性疾患で、熱帯・亜熱帯地域を中心に世界的に拡大しています。毎年数億人規模の感染が報告されており、アジア太平洋地域における主要な公衆衛生課題のひとつです。
マラリアと同様、媒介蚊の発生源を制御することが予防の鍵であると考え、ソラテクノロジーはこれまでに培ったマラリア対策の知見をデング熱にも応用することで、フィリピンを始めとしたデング熱罹患リスク地域への導入を推進します。
Help.NGOについて
今回共同で実証実験を行った国際人道支援団体Help.NGOは、世界各地で災害対応・防災・人道支援を行う国際NGOです。2019年以降、国連のスタンバイパートナーとして登録されており、緊急時の国連支援活動を含む幅広い国際協力を展開しています。衛星通信、無人航空機(UAS/ドローン)、ICTを活用した先端的な支援活動を特徴とし、地震・洪水・パンデミック・武力紛争など、世界の危機現場で人命救助や復興支援を行ってきました。
テクノロジーと人道支援を結びつけるその実績は、国際社会から高い評価を受けています。
ウェブサイト:https://www.help.ngo/
協働の意味
今回の協働は単なる技術実証を超えた意味を持ち、国際的に信頼される人道支援団体とソラテクノロジーのパートナーシップそのものが、ソラテクノロジーの技術が社会実装に耐えうる信頼性と国際的意義を備えていることを示す重要なマイルストーンとなりうる可能性を秘めています。
会社概要
会社名:SORA Technology株式会社
本社所在地:愛知県名古屋市西区那古野2-14-1 なごのキャンパス
代表者:金子洋介(Founder兼CEO)
事業内容:ドローンおよびAIを活用した感染症対策、農業支援、災害対応技術の開発・提供
設立:2020年
SORA Technology株式会社は、「宙(SORA)」から人の生き方に変革を」をミッションに掲げ、ドローンなどのエアモビリティによって「世界のどこでも安全で豊かな社会」を実現します。ドローンとAIを用いての感染症対策・気候変動対策をメイン事業としているスタートアップです。
ウェブサイト:https://sora-technology.com/
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/sora-technology/
Facebook:https://www.facebook.com/sora.technology/